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俳優 長門裕之さん死去


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 「太陽の季節」「にあんちゃん」などの映画や多くのテレビドラマで活躍した俳優の長門裕之(ながと・ひろゆき、本名加藤晃夫=かとう・あきお)さんが2011年5月21日午後5時20分、肺炎と動脈硬化などの合併症のため東京都文京区内の病院で死去した。

77歳。京都市出身。芸能一家に生まれ、子役からの長い俳優生活だった。おしどり夫婦として知られた妻で女優の南田洋子さんは09年10月に他界。悲しみを抱えながら仕事に意欲を見せていた。葬儀・告別式の日取りは未定。

長門さんが最愛の妻のもとに旅立った。弟で俳優の津川雅彦(71)が午後11時過ぎから世田谷区内の兄の自宅前で会見。最期の様子を涙ながらに語った。

長門さんは昨年8月に心臓疾患で倒れ、大手術を受けた。経過は順調だったが、ことし2月に今度は脳出血でダウン。自宅で療養を続けたが、舞台復帰を夢見て4月から板橋区のリハビリ病院に入院していた。津川によると、最後の会話は3日前。「“新作映画を撮る。兄貴も出てくれよ”というと“よし”と前向きに意欲を見せていた」と明かした。

20日まで元気だったが、この日昼すぎに容体が急変。主治医のいる文京区の病院に移送したが、既に意識がなかったという。医師は心臓マッサージを続ける一方で、午後3時すぎに津川に連絡。「自分が行くまでなんとか、もたせてほしい」の願いもむなしく息を引き取った。臨終は俳優修業中の弟子がみとったという。

遺体は午後9時15分に世田谷区の自宅に無言の帰宅。津川と妻で女優の朝丘雪路(75)は30分前に駆けつけ、兄の亡きがらを迎えた。

芸能界でも屈指のおしどり夫婦として知られた南田さんとは61年3月に結婚。56年に公開された映画「太陽の季節」で共演したのがきっかけだった。フジテレビの音楽番組「ミュージックフェア」の司会を2人で65年から約16年間務めた。

愛妻家の顔を持つ一方で、浮名も多く流した。85年11月に出版した「洋子へ」では、奔放な女性関係を実名で赤裸々に暴露し世間を騒がせた。この騒動で、CMの降板などを余儀なくされ、芸能活動には大きなダメージとなった。

05年に南田さんが認知症を発症。08年秋にテレビ番組で公表し、闘病の様子と長門さんの献身的な介護ぶりが話題を呼んだ。暴露本「洋子へ」の罪滅ぼしの意味もあったと話していた。

しかし、介護のかいもなく、南田さんは09年10月21日にくも膜下出血で死去。同30日に営まれた告別式で長門さんは「凄い喪失感と失恋を久々に味わわせていただいた」「いとしい、いとしい、いとしい、いとしい洋子」とあいさつし、参列者の涙を誘った。三回忌を前に、長門さんは“いとしい妻”のもとに向かった。



◆長門 裕之(ながと・ひろゆき、本名加藤晃夫=かとう・あきお)。1934年(昭9)1月10日、京都市生まれ。61年に結婚した南田洋子さんとの事務所「人間プロダクション」を74年に設立。59年に映画「にあんちゃん」でブルーリボン賞主演男優賞、63年に「古都」で毎日映画コンクール男優助演賞。

by a19750601 | 2011-05-21 23:40 |