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映画の感想を書いていたのだが

午前中に映画の感想を書いていたのだが、『ロバート・イーズ』のところでいきなり引っかかった。トランスジェンダーとか性同一性障害というものが、僕にはいまひとつよくわからない。身の回りにゲイの人はいても、トランスジェンダーの人はいないしなぁ……。

いや、実際にはいるのかもしれないけど、そうだとカミングアウトされたこともないし。(もちろんそんなことはプライバシーなんだから、カミングアウトする必要なんてぜんぜんないんだけど。)ジェンダー関係では、最近さかんに「ジェンダーフリー」ということが言われるのだけれど、これは相当に怪しく、しかも危険な思想だと思う。特に性同一性障害で悩んでいる人にはいい迷惑だ。

性同一性障害の人たちは、自分の生まれ持った性別とは別に「男になりたい」「女になりたい」と思うわけです。つまりジェンダーにとらわれない「ジェンダーフリー」とはまったく逆で、かたくなにジェンダーにとらわれた生き方を求める。彼らや彼女たちは個人に固有の「私らしく生きる」ことより、まず「男らしい男になりたい」「女らしい女になりたい」と願うからこそ、高額の手術費用まで支払って性転換手術を受けたりもする。

ジェンダーフリーなんてものは、ボーヴォワールの言葉に感化されたフェミニストが「そうか、私は女に生まれたんじゃなくて女になったのだ!」と開眼してしまったことから生まれた幻想だと思う。

男と女は生まれながらに男であり女なのです。それを逆説的に証明してしまっているのが、性同一性障害の人々だと思う。

午後はアミューズピクチャーズ試写室で三原光尋監督の新作『ドッジGO!GO!』を観る。これはすごくいい映画だった。小学生たちの表情がじつにいい。特に主演の田島有魅香と、韓国から参加した子供たちが最高。この子供たちだけで、100点満点で70点ぐらいはあげられる映画だったなぁ。

2本目はソニーで『スチュアート・リトル2』。これは1作目よりずっといい。今回は2羽の鳥が重要な役回りで登場するのだが、このアニメーションは素晴らしかった。表情や仕草などをたっぷりと擬人化しながら、それでもリアルな鳥の動作をきちんと残してある。スチュアートのガールフレンドになる小鳥の声を、メラニー・グリフィスが演じている。

築地から歩いてメディアボックス試写室へ。途中でパンを買って、歩く道々食べる。本日ラストはイラン映画『チャドルと生きる』。イランで虐げられている女性の姿を、複数の女性たちのエピソードをリレー風につないでいく映画。1本の映画だけれど、オムニバス風の構成になっている。イランでは女たちが全員牢獄に囚われていると訴える、この映画のメッセージは明快。しかし1日の終りに、この映画はちときつかった。先に観た2本は元気が出る明るい映画だったのに、この1本でドーンと暗くなってしまった。

帰宅したら郵便受けにamazonからの荷物が入っていた。中身はエマニュエル・カレールの「嘘をついた男」だ。先日フランス映画祭横浜で観た『見えない嘘』の原作。面白そうな本だけれど、これを読むのはしばらく後回しになりそうだ。まずは「少女たちの魔女狩り」を読んでしまわなければ……。

映画『クルーシブル』の主人公になったジョン・プロクターと妻が逮捕され、下女のメアリ・ウォレンが証言をするくだりを読んだ。映画ではメアリが彼女自身の野心からジョンの妻を陥れるような話になっていたが、この本の著者はメアリにかなり同情的。どちらが正しいのか、それはもはや誰にもわからない。

『クルーシブル』の原作「るつぼ」は、近くの図書館にあることがわかったので、「少女たちの魔女狩り」を読み終わったあとはまずそれを読んで、そのあとが「嘘をついた男」かな。

by a19750601 | 2002-07-22 23:13 |