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大王製紙の井川前会長を逮捕

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大王製紙の井川前会長を逮捕

大王製紙(東証1部上場)の子会社から巨額の借り入れを行い、

32億円の損害を与えた疑いが強まったとして、

東京地検特捜部は22日午前、

大王製紙前会長の井川意高(もとたか)容疑者(47)を

会社法違反(特別背任)容疑で逮捕し、発表した。

特捜部の調べに対し、井川前会長は容疑を認めた上で、

「借入金のほとんどは海外のカジノでのギャンブルに使った」

と話しているという。


特捜部はまた、東京都渋谷区の井川前会長の自宅などの捜索に乗り出した。子会社からの借り入れの経緯や借入金の使途などについて、全容解明を目指す。

井川前会長は、自ら役員を務める連結子会社7社から、昨年5月~今年9月に計26回にわたり、取締役会の承認を得ないまま、無担保で計約106億8千万円を借り入れた。現金と株式の形で一部は返済されたが、大王製紙は株式での返済を認めず、85億8千万円を損害額として特捜部に21日に告発していた。

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このうち特捜部は、今年7~9月に、4社から7回にわたって借り入れた32億円分を逮捕容疑とした。

井川前会長が借りた資金のうち約8億5千万円は、前会長が指定したカジノ運営会社の口座に振り込まれた。残る約98億3千万円は前会長の個人口座に振り込まれたが、最終的にほぼ全額がカジノ運営会社の口座に入金されていたという。

大王製紙の井川前会長を逮捕_c0144828_13443984.jpg特捜部は、井川前会長がマカオやシンガポールでの私的なカジノ賭博に使うために借り、返済の見通しもないとみている。

井川前会長は創業者・井川伊勢吉氏(故人)の孫で、07年6月に42歳で社長に就任したが、業績不振の責任を取って今年6月に退任。その後は会長職に退いたが、9月に問題が発覚して会長も退いた。

同社が設置した特別調査委員会が先月28日に公表した報告書は、今回の問題の背景として、井川前会長と、その父親で同社顧問だった高雄氏(74)に「絶対的に服従する企業風土があった」と指摘。高雄氏も前会長への貸し付けの増加を防げなかった責任を問われ、顧問を解任された。

大王製紙は1943年に製紙14社が合併して誕生した国内3位の総合製紙会社。本社と主力の生産拠点は愛媛県四国中央市にあり、「エリエール」のティッシュペーパーなどで知られる。

この問題で大王製紙は、上場廃止のおそれがあると投資家に注意を促す「監理銘柄」に指定された。来月14日までに決算を発表できなければ上場廃止となるため、井川前会長への貸し出し分を決算に反映させる作業が続けられている。

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会社法違反(特別背任)容疑で東京地検特捜部に22日に逮捕された大王製紙前会長の井川意高容疑者は同日、弁護士を通じ、「お詫び」と題したコメントを発表した。


 その全文は以下の通り。


 お詫び

 大王製紙株式会社

 前代表取締役会長

      井川 意高


この度は、私と大王製紙株式会社(以下、大王製紙)の関連会社との借入問題に関しまして、世間の皆様を大変お騒がせいたしておりますこと、心からお詫び申し上げます。

大王製紙の会長、また同社関連会社の会長等役職にあったものとして、このような不祥事を起こしたことにつきまして、大王製紙並びに関連会社の皆様、長年にわたりご信頼頂きお取引させて頂いておりました皆様、そして同社の商品をご愛用いただいている皆様など全ての関係者の方々に対して申し訳なく、深くお詫びを申し上げるより外ございません。

私が大王製紙の関連会社から、のべ100億円余りの融資を受け、これを全て私の個人的用途に使ったことは事実でございます。また、これらの借入金の殆どをカジノでのギャンブルに使ったことも事実です。

きっかけは、私が株式の先物取引、FX取引で多大な損失を出した後に偶々訪れたカジノで儲け、当初、大きな利益を得ることもあったことによりその深みにはまったものですが、全ては私の不徳の致すところであり深く反省しております。

本件の借入れは全て私が一人で行ったことであり、融資をしてくれた大王製紙の関連会社等の担当役員らは単に私の要請に応じてくれたに過ぎず、私一人に責任があるものと考えております。結果的にこれら関係者の方々にも多大な迷惑をかけることとなり、誠に申し訳なく思っております。

今回の関連会社からの借入金の残金につきましては、私が保有する関連会社の株式及び現金により返済する旨を関連会社に対して既に通知しておりますが、種々の問題により具体的返済に至っていないのが実情です。

なお、本年10月28日、大王製紙は特別調査委員会が提出した同月27日付調査報告書を受けて、「特別調査委員会からの報告を踏まえた当社の対応について」を公表しました。特別調査委員会は、私井川意高、父である井川高雄大王製紙元顧問及び弟である井川高博同社元関連事業部担当取締役を一体として「井川父子」と捉え、その支配力の強さが今回の貸借問題の原因であったという報告書を公表し、同社は、この報告を受けて父を顧問から解嘱し、弟を無任所取締役に降格しました。

本件は、本年3月に私の借入について父から叱責を受けたにもかかわらず、その後も借入を続けた私自身の問題であって、同年4月以降の借入については9月まで父も弟も知らなかったものであり、その責任は全て私にあります。本件が、「井川父子」、或いは、創業家の支配力の問題等とされてしまうことにより、大王製紙が、今後、コンプライアンス及びコーポレートガバナンスを立て直してゆくための道筋を誤ることがないことを心から希望しております。もとより、かような事態の原因を作った者として深くお詫び申し上げるところですが、何卒、大王製紙が信頼を回復できるよう、関係者のみなさまに衷心よりお願いする次第です。

 この度の私の不祥事について皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けし、お騒がせいたしましたことを重ねてお詫び申し上げます


          以上

by a19750601 | 2011-11-23 18:32 |