訃報 岸朝子さん
長く料理の世界を見つめてきた岸朝子さんの死去に、料理人らから惜しむ声があがった。
「中華の鉄人」として「料理の鉄人」に出演した陳建一さんは、
出演依頼された当初は断った。
だが岸さんから「他のジャンルの人と付き合うよい機会。
チャレンジしなくてはだめじゃない」と言われ、引き受けたという。
「和洋中ジャンルを問わず、家庭料理も含め料理を
グローバルな視点で理解し、広い人脈を持つ方でした」
岸さんと初めて会ったのは50年以上前という「和の鉄人」の
道場六三郎さんは、岸さんが道場さんを鉄人に推挙したことに触れ
「本当に姉のような存在でございました」とのコメントを出した。
3カ月前には、岸さんが道場さんの店の試食会に
訪れて料理を3品ほど食べたといい、
「訃報を聞き、がくぜんと致しております。
心より、ご冥福をお祈り申し上げます」としのんだ。
「フレンチの鉄人」の坂井宏行さんは「緊張感みなぎる
スタジオで試食し、その場で批評するのは大変なことなのに、
きついコメントをしたことがなく、いつも穏やかな言葉で、
ホッとさせてくれました。懐が深く温和な人柄でした」と振り返る。
料理研究家・堀江ひろ子さんは、母で料理研究家の
堀江泰子さんと岸さんが同じ年の生まれ。家族ぐるみの付き合いで、
親しかったという。「面倒見がよく、人と人を結びつけるのが
上手な方でした。とても残念です」と惜しんだ。
by a19750601 | 2015-09-28 19:28