NOVA元社長、猿橋望容疑者逮捕

英会話学校「NOVA」の社員積立金を横領したとして逮捕された元社長、猿橋望容疑者(56)が、テレビ電話による「お茶の間留学」事業で、自身がオーナーの通信会社のサーバー6台を余分にNOVAに貸し、総額約3億円の使用料を支払わせていたことが、大阪府警捜査2課の調べなどで分かった。府警は、猿橋容疑者が多額の負債を抱えていた通信会社の救済目的に、NOVAに不当な使用料を支出させて損害を与えた可能性もあり、会社法の特別背任にあたるかどうか慎重に捜査している。調べなどによると、この通信会社はNOVA関連企業の「ギンガネット」。NOVAは平成14年4月から、ISDN回線専用サーバー30台をレンタルしていたが、うち10台はほぼ未使用だったため、15年4月までに20台に減らした。

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しかし、16年4月以降、レンタル台数を再び26台に増加。新たに借りた6台分はほとんど使用されることもなく、17年10月以降は22台に削減したが、16年4月~17年9月で、余分なサーバー使用料は2億9400万円にのぼった。関係者によると、ギンガ社は12~13年ごろ、石川銀行から、増資引き受けの見返りに約50億円の融資を受けたが、同行が13年末に破綻。未返済の債務約20億円が整理回収機構(RCC)に移管され、NOVAからも約20億円の貸し付けを受けていたため、ギンガ社は当時、RCCとNOVAにそれぞれ月数千万円の返済を迫られていたという。余分なサーバーについて、関連会社「ノヴァ企画」元役員、村田利彦容疑者(49)=業務上横領容疑で逮捕=も、逮捕前の府警の任意の事情聴取に「台数が多すぎて問題があった」と説明。府警は、猿橋容疑者がギンガ社の返済に充てるため、NOVAに必要以上のサーバーを借りさせて使用料を払わせていた疑いもあるとみて調べている。


昨年10月の電撃的なクーデター劇による失脚から、約8カ月も雲隠れしていた元「カリスマ社長」。破綻(はたん)した英会話学校大手「NOVA」の猿橋(さはし)望(のぞむ)元社長(56)は24日午前、取り調べを受けるため、大阪府警本部に入った。破綻で30万人もの受講生が被害を受け、従業員は職を失った。それでも公の場で謝罪することは1度もなかった。東京周辺を拠点に残務整理していたとも伝えられたが、その動向はほとんど謎に包まれていた。猿橋元社長は、昨年6月に経済産業省から業務停止命令を受けて記者会見に臨んで以来、マスコミを避けるようになった。NOVA統括本部のある大阪にはほとんど寄りつかず、東京近辺で資金調達に奔走。東京本部には時折姿を見せ、「いま(資金調達を)頑張ってるから。大丈夫だから」と社員らを督励した。昨年10月25日夜、取締役3人によるクーデターで代表取締役を解任されると、「潜伏」の度合いをいっそう深めた。東京周辺を拠点に、オーナー会社の事後処理などを淡々と進めていたという。NOVAの事業譲渡先となったジー・コミュニケーショングループ(名古屋市)では、外国人講師の雇用問題などさまざまなトラブルが浮上。これを聞いた猿橋元社長は「(ジー社に)できるはずがない。受講生はすぐに戻ってこないだろう」と、ジー社の経営手腕をあげつらった。

テレビ電話を使った「お茶の間留学」の拠点が、もともとあった大阪のミナミから、キタに移転されたこともかんに障った。「機械はただつなげばいいもんじゃない。バグ(不具合)が多くて仕方ないんじゃないか」。批判の言葉の裏で、自ら苦心して作り上げたシステムが、ジー社の手に渡ったことを惜しんだ。昨年11月には東京都内のホテルで一部雑誌のインタビューに答えたが、さまざまな疑惑に対する言い訳に時間を割き、カメラ撮影は拒否。元受講生や元従業員らへの謝罪の言葉はわずかだった。記者会見を開いて潔く頭を下げることは1度もなかった。
 代理人の弁護士に対しても言い訳を漏らした。「生徒に対する問題、社員に対する問題、いろいろあるけれども、自分から連絡すると相手に迷惑をかけてしまう」府警は今春以降、猿橋元社長の側近への事情聴取を本格化。今回の業務上横領容疑が具体的に浮上すると、自身への事情聴取も「時間の問題では」と危機感を募らせた。

 「それが業務上横領といわれれば仕方ない。自首しましょう」。猿橋元社長は一時期、府警に出頭する計画を持っていたという。しかし、捜査が目前に迫るまで実行されることはなかった。



NOVA:元社長を業務上横領容疑で強制捜査へ
経営破綻(はたん)した英会話学校最大手「NOVA」(大阪市、破産手続き中)の社員互助組織の口座に積み立てられていた約3億2000万円が07年7月、関連会社を通じ、NOVAの口座に移っていたことが分かった。NOVAは当時、資金繰りが悪化しており、解約した生徒への返還金などに社員らに無断で充てられたとみられる。大阪府警捜査2課は、猿橋望・元社長(56)が指示したとみて、近く業務上横領容疑で強制捜査する方針を固めた。

 NOVAは07年6月、経済産業省から解約手続きなどを巡る特定商取引法違反で一部業務停止命令を受けた。同10月に会社更生法の適用を申請し、経営破綻。以降、府警が同社の不透明な金の動きについて捜査を進めていた。

 関係者によると、互助組織は「社友会」で、慶弔費など社員の福利厚生が目的。社員の給与から、役職などに応じて毎月1000円~3000円程度が天引きされ、積み立てられていた。代表者は猿橋元社長で、社員らの委託を受ける形で口座の通帳と印鑑を管理していたという。

 社友会の口座残高は07年7月、約3億2000万円だった。同月中旬に猿橋元社長がオーナーを務める関連会社「ノヴァ企画」に入金され、同日中にNOVAの口座に移されていた。その後、この口座から、解約した生徒への返還などの金が引き落とされた。

 府警は、当時の経理担当社員が猿橋元社長の指示を受け、金を動かしたとみている。

 猿橋元社長の代理人弁護士は「解約金返還のために社友会の金を使ったのは認めるが、会社を立ち直らせるためだった。私的流用は一切ない」としている。【
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by a19750601 | 2008-06-25 23:31 |